白内障手術をもっと身近に
✅ 細かいものが見づらくなった
✅ お月様がだぶって見える
✅ 街灯や車のライトがまぶしい
✅ 運転免許更新で引っかかった
✅ 目薬をしても良くならない
当院は白内障でお困りの方がなるべく早くに、かつ安心して日帰りでの手術を受けていただけることを目標にしています。白内障の診断や治療について、初めての方でもお気軽にご来院ください。
多くの眼科では患者さんが手術を希望されても2〜3ヵ月は枠が埋まっているようです。当院では手術をお申し込みいただいてから、なるべく 1ヵ月以内に手術日をご案内できるような体制を整えております。白内障の多くは加齢性のものであり、手術を待っている間にも少しずつですが日々確実に進行していきます。進行してしまった白内障は手術のリスクが高くなりますし、なにより手術を待っている間には不安が募るものですので、もし手術を決心されたなら早めに済ませるに越したことはありません。
参考までに、当院で日帰りでの手術を受けられた 1,000人以上の患者さんの平均年齢は 74歳でした。手術患者さんの半数近くは東園田町にお住まいで、北部は田能・椎堂、西部は食満・口田中・御園・猪名寺・南清水、南部は戸ノ内町・善法寺町・小中島・瓦宮・額田町・高田町・神崎町・西川・次屋・浜・若王寺・久々知・上坂部、東部は隣接する豊中市の利倉西・上津島、また阪急電車を利用して塚口や武庫之荘、伊丹からも来院されています。
白内障とは
目はその構造からよくカメラに例えられます。カメラに内蔵されているレンズにあたるものが水晶体です。
水晶体は子供の頃には無色透明なのですが、加齢などの理由で濁りが生じてきます。その濁りのために見づらくなる病気が白内障です。
白内障の原因
加齢性と言って、特に他に原因がなく年齢を重ねるとともに濁りが生じてくる場合が最も多いです。50代で 40~50%、60代で 70~80%、70代で 80~90%、80歳以上ではほぼ 100%が白内障を発症していると言われます。我々眼科医にとっては「70歳を超えたら白内障」は当たり前のことなのですが、来院される患者さんとお話をしていると「まさか!私が白内障になっていますか?」という反応があまりにも多い印象です。
加齢性の他に、体の病気と関わりがある場合もあり、糖尿病の持病がある方は白内障の進行が早いと言われます。
ステロイド剤の副作用として白内障を発症することもあり、全身疾患の治療で内服している方や喘息の治療で吸入している方は注意が必要です。
その他、目の外傷や目の中の炎症などによって生じる場合もあります。
白内障の症状
毎日のように来院されている白内障の患者さんは「視力が下がった」と具体的に訴えられるよりも、「細かいものが見づらくなった」「お月様がだぶって見える」「街灯や車のライトがまぶしい」とおっしゃることが多いです。
運転免許更新の際の視力検査で引っかかったために受診される方や眼鏡屋さんで眼鏡を作り替える際に視力が出なかったために受診される方も少なくありません。
片方の目が見づらくなったけれど、反対の目が見えているから大丈夫だろうと放置したままにする方もいらっしゃいます。ある日ふと片目ずつ目隠しをしてみて、かなり見えづらくなったことに初めて気づきます。検査を行うと進行した白内障や網膜の他の病気が見つかることがあり、そこから慌てて治療を開始することになってしまいます。
これらの症状によって、日常生活に支障が出てきた時が手術を検討するタイミングであると思っていただければ良いでしょう。生活のスタイルは個人個人で異なりますので、手術をする年齢も人によって様々です。逆を言えば、生活に不自由を感じていなければ今すぐ手術をする必要はありません。


白内障の治療
残念ながら、既に生じてしまった白内障という眼球の中にある濁りは、目の表面に目薬をさしたところで、掛ける眼鏡を作り替えたところで、消えることはありません。この濁りを取り除く方法は手術以外にはありません。
白内障の日帰り手術
動画提供:平和医療合同会社
日本では年間130万件以上の白内障手術が行われています。近年の医療技術や医療機器の進歩によって、以前は入院で行っていた手術を日帰りで行うことができるようになりました。
白内障以外(網膜、視神経、角膜など)の目の病気がなければ、ほとんどの方で手術による視力改善が望めます。しかし手術をすることで全ての方が視力の改善を得るわけではありません。白内障の混濁のために手術前に判明していなかった他の病気が、手術後の精密検査で初めて見つかることがあります。また眼内レンズの特性により術後の視力の改善に時間がかかる場合もあります。
患者さんに安心して手術を受けていただけるよう万全の体制で手術に臨むことは医療者として当たり前ですが、残念ながら手術に 100%大丈夫ということはありません。当院においても100%大丈夫という約束はできませんが、万が一不測の事態が生じた場合には最大限の対応を取らせていただきます。
白内障手術の方法
当院ではすべて日帰りでの手術を行っています。日帰り手術には、普段の生活環境をあまり変えることなく治療を受けることができるというメリットがあります。
手術の所要時間は 10分程度であり、目薬の麻酔(点眼麻酔)でほとんど痛みなく手術を行うことができます。手術後は透明な保護メガネを装用していただいており、眼帯で目隠しをしてしまうよりも不安は少ないのではないかと思います。
体の病気があっても
手術は可能?
高血圧や糖尿病などの慢性疾患については、きちんと治療されている状態であれば特に問題となることはありません。ただし病状は一人一人で異なりますので、基本的には手術前に主治医の先生と相談させていただき、安心して手術ができるかどうかの決定をしています。
なお当院では85歳を超えるご高齢の方には無理に自院での日帰り手術をすすめることはしておらず、入院対応が可能な施設へご案内させていただいております。年齢を重ねると全身状態が不安定になりがちですし、当然目の組織も弱くなるので手術のリスクは高まります。難聴のために手術中のコミュニケーションが取りづらい場合や体の痛みために手術中の姿勢を維持することができない場合なども出てきます。また認知症の方では点眼管理が正確にできなくなることから、術後感染が懸念されます。もし体や目の状態が許すようであり、ご家族の方が様々なサポートを徹底して下さるのであれば日帰り手術を行うことは可能です。
白内障を放置するとどうなるか?
進行した白内障を放置していると視力が低下するだけでなく、生活の質が大幅に損なわれてしまうと報告されています。
- 認知症のリスクが高くなる。
- 転倒による骨折のリスクが高くなる。
- 身体活動性が低下し、高血圧・動脈硬化・高脂血症・肥満などを引き起こす。
目においても様々なリスクがあり、下記のように進行してしまった白内障の場合は総合病院での緊急手術が必要となるケースがあります。
- 水晶体が溶けてぶどう膜炎を引き起こす。
- 緑内障発作を引き起こす。
- 手術に必要な眼内レンズの度数測定ができなくなる。
手術しないことでのリスクがあることも十分に理解しておく必要があります。
白内障日帰り手術の流れ
Step1手術日決定
手術を希望されれば、手術日を決定し、それに合わせて術前検査日、手術説明日を調整します。当院では白内障手術をお申し込みいただいてからなるべく 1 ヵ月以内に手術日をご案内できるような体制を整えております。
Step2術前検査日
手術に必要な目のデータを測定したり、血液検査のための採血を行ったりします。
Step3手術説明日
手術の方法や合併症、また手術前後の生活上の注意点についてお話させていただきます。
Step4手術前
手術の3日前から抗菌点眼薬を開始していただきます。
前日は手術に備えて入浴、洗髪を済ませ、しっかり睡眠を取りましょう。
Step5手術当日
① 朝食は普段通り、昼食は早めに軽く食べてください。常用しているお薬はいつも通り服用してください。
② 体温や血圧を測定し、準備の目薬を開始します。
③ 消毒をして手術を開始します。手術の時間は、10~15分程度です。
④ 手術後少し安静にして、術後の注意点を確認した上でご帰宅いただきます。
⑤ 手術当日はお風呂に入れませんが、濡れタオルで顔や体を拭く程度は構いません。
Step6手術後
手術日以降は、手術翌日・術後2日目・1週間後、その後は徐々に間隔を空けて、定期健診を術後3カ月目まで行います。
単焦点眼内レンズ
(保険診療)
眼内レンズの種類
眼内レンズの種類は、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。単焦点眼内レンズは、遠方・近方のいずれかに焦点をしぼったレンズで、多焦点眼内レンズは遠方から中間・近方と光を振り分けることで焦点が合うレンズです。
現状、当院ではほとんどの方が健康保険が適用される単焦点眼内レンズでの手術を選択されていますが、今後は多焦点眼内レンズを選択される方も増えていくと思われます。
単焦点眼内レンズ
遠方・近方どちらかの距離に焦点が合うレンズを単焦点眼内レンズと言います。自動車運転が多い場合は遠方に、パソコンや読書・テレビなどには近方に焦点が合うレンズを選びます。それ以外の距離を眺める場合には眼鏡を装用する必要があります。また、単焦点眼内レンズは健康保険適用となっております。
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは、遠距離と近距離に焦点が合わせられるので、単焦点眼内レンズに比べて日常生活で眼鏡への依存をかなり軽減できます。近年では、乱視矯正が可能な多焦点眼内レンズも開発されています。
当院では、選定療養を利用したテクニスシナジー(連続焦点型レンズ)という多焦点眼内レンズの手術に対応しております。
乱視矯正眼内レンズ
近年では乱視矯正が可能な眼内レンズが開発され、白内障手術と同時に乱視矯正を行うことで、術後視力のより良い改善が得られるようになっています。ただし強度の乱視や不正乱視では乱視矯正眼内レンズの使用ができない場合もあります。手術前に入念に検査を行い、乱視治療の適応があるかどうかを調べる必要があります。
後発白内障について
よくある質問
いくつかの回答は、当院で白内障手術を受けていただいた患者さん100人に行ったアンケートの結果が元になっております。
白内障は手術を受けないと改善しませんか?
日常生活に支障が無い初期の段階であれば、定期的に視力検査を行うことで経過観察をさせていただきます。患者さんの希望によっては、白内障の進行を抑える目薬を処方することもあります。
白内障が進行すると、眼鏡等で矯正しても見えにくいままですので、手術を行う必要があります。特に自動車等を運転されている方は免許更新時に、普通自動車であれば両方の目で0.7以上かつ片方の目でそれぞれ0.3以上の視力が必要となります。(片方の目が0.3未満の際には、視野の評価も求められます。)
手術は怖いですが、大丈夫でしょうか?
当院で行ったアンケ―トの結果によると、約半数の患者さんは、手術を受けるまでは怖かったそうです。怖いとは思いながら、しかし見え方を改善したいという気持ちで思い切って手術を申し込みされている方が多いです。手術が終わってみると、9割の方は思っていたより楽だったとの感想をいただいております。
まわりで既に白内障手術を受けられた方がいらっしゃるようでしたら、その実際に手術を体験された方に話を聞いてみてください。
手術は痛くないですか?
手術室に入る前から点眼麻酔を開始し、手術の状況に応じて麻酔を追加しながら進めていきますので、始めから終わりまでほとんど痛みを感じることは無く、触られている感覚が残る程度です。9割の患者さんは痛くなかったそうです。残る1割の方も我慢できる程度とのことでした。
手術後の万が一の痛みに対して、痛み止めのお薬を処方させていただいておりますが、実際に内服されている方は少ないようです。
手術の帰り道は大丈夫でしょうか?
9割以上の方は問題なかったとのお答えでした。当院は阪急園田駅の駅ビル1階にございますので、電車やバス、タクシーの便が良いのも特徴です。お一人で帰って行かれる方も多いですが、心配でしたら付添いをお願いすると良いでしょう。
もちろん、入院での手術を希望される患者さんには、対応が可能な提携する病院をご紹介させていただきます。
手術後の見え方は?
術後の回復には個人差がありますが、翌日あるいは数日以内に手術前より明るく見えるようになります。(目の奥に別の病気が無いという場合に限ります。)簡単な家事であれば手術の翌日から可能ですし、また術後数日の経過でお仕事に復帰されたり、運転を再開されたり、元の生活に戻られる方がほとんどです。
患者さんお一人お一人で、あるいは右眼と左眼であっても目の状態は異なりますので、外科的手術に付き物である万が一の事態を含め手術前にしっかりお話させていただき、納得された上で手術に臨ませていただくようにしております。